「はぁはぁ…」
保健室から遠く離れた所まで来て足を止める。
(やっぱり止めるべきだった)
風太から報告受けた二年前にこの恋は止めとくべきだったんだ。
だってこんなにも胸が苦しいんだから。
ぎゅっと無意識に左胸の方の制服を握る。
でも今でも風太の笑顔を、風太を思い出す度にキュンとなってしまう。
私はどうしようもないバカなのかもしれない。
叶わない恋なのに望んでしまう。
だってさっきの風太、男の顔だった。
私といるときとは違う、男子の顔じゃなくて、男の顔。
あんな顔見たら余計無駄な恋だって分かったのに。
辞められたら、きっと楽なのに……