僕らは戦争委員会

気付いたら黒沢の毒づき攻撃は終わっていたみたいで、とてとてと効果音がつきそうな歩きかたでこっちへ歩いてきていた。
「やー、ちょっとてこずりました」
「まぁ…間違いなくこれで彼氏さんが黒沢さんを殴りに来ますね」
てこずったのが黒沢基準なので、僕たちから見て完璧なはずだ。
木村先輩はもうどこかへいったみたいで、廊下には三人しかいなかった。
「なにその言い方ー!!完璧にパシリじゃないですかー!!」
「あぁ、ごめんなさい、役に立ちましたよ。あとは義文君と一緒に行動するだけですし、今ので一件片付きそうですね」
なんか泣きながら叩いてきたので謝っておく。可愛い。
なだめると、ほんとー?えへへ、と笑いながら部室のある方へ走っていってしまった。
春原と二人きりだ。
どうせなら、引っかかっていたことを聞いてみよう。
「…春原、ちょっといいですか?」
「何?」
「春原と黒沢で<任務>いってきたとき、帰りに黒沢が頬腫らして帰ってきたことありましたよね?あのとき、能力が効かないって言ってましたよね」
「あぁ…うん」
「あれ、今までしばしば起こってますよね」
「そうね。私もあれから2回あった」
やっぱりか。
あの時から、僕たちはたまに能力が効かなくなるときがある。
原因はまだわかっていない。
必要なときに使えないと、戦争委員会の意味がない。
「ですよね。僕も1度」
「みんなに聞いてみようよ。なにかわかるかもしれない」
僕の言葉をさえぎって、春原は言った。
「私達みたいに、仲間に言ってない人もいるかも。行こう」
そう続けて、部室の方向へ行ってしまった。

「…さっきふと思い出したことなのに、仲間を巻き込んでしまうなんて」
でも、何か解決するかもしれないし。
和哉は前向きに考えようと努力した。
しかし。
「…もし大事になったらどうしよう。<任務>にも支障がでてしまうかもしれない」
「みんなの思考が別の方向へ向けば<任務>は一旦停止する」
「依頼してきた人達に迷惑だ」
和也はポジティブに考えるのが苦手な人だ。
どんどん悪い方向へ考える、考える、考える。
それが、和也は嫌で仕方なかった。
「どうして僕は、こんな性格に…」
自分の性格を嫌っていた。前向きに考えようとしても、それは一瞬で終わる。
すぐに悪い方向へ考える。
こんな自分を好きな人なんて、いるのだろうか。
「小口、早くー」
遠くで春原が僕を呼んでいる。今はなるようになるしかない。
「今行きます!」
そういいながら、和也は心の中で仲間に謝罪をするのだった。