ゆっくり、唇が離れると、呼吸を整える私に、紺野先輩が一言。



「どう?続き、書けそう?」



さっきまでとは別人のように、私の目を見つめる。



「続き、読みたいんですか?」



と訊ねると、彼は照れ臭そうに頷いた。

そんな顔するなんて、先輩はやっぱり、ずるいです。



「じ、じゃあ・・・考えておきます・・・」


「んー・・・」



そして、また顔を近付けて「ちゅっ」と、軽く先輩は私に口づけた。

まるで、動物が人にするような、感じだ。


私が驚いた顔をすると、「いちいちそんな顔、すんなよ」と鼻の頭をつねられた。