するりと抱き締めていた腕がほどけると、今度は、鼻がくっつきそうなほどに、先輩が顔を近付けてきた。
「キスも、それ以上のこと、も・・・俺がみすずに教える、から・・・本の続き、ちゃんと書け」
こんな至近距離で、そんなこと言われたら・・・
「・・・・んっ」
心の準備ができる前に、唇は、未だ感じたことのない感覚をおぼえた。
柔らかくて、熱い。
唇を割って入ってきた、これは、舌の感触?
熱くて、甘くて、蕩けそう・・・です。
少し、息苦しくなって唇を離すと、先輩が私の目をみて、短い呼吸をひとつ
それから
今度は角度を変えて二回目のキス。
時折漏れる先輩の吐息が、聴覚を支配し、脳まで蕩けさせる。
二人、部屋の中で座り込んだまま、繰り返されるキス。
先輩は、腰に手を回し、私の身体を引き寄せながらも、より深く、私の唇に、キスを落としていく。
先輩、キス、うまい・・・
初めてのキスだけど、分かる。
先輩のキスは癖になりそうな位甘いから。

