「あ、わりぃ。人いたんだ」


「は?」
窓ガラスを割ったのはこの人か

「手怪我してんな。これやる」
と、無造作にポケットから絆創膏を取り出した。
「いや、大丈夫ですけど」

「まぁ、お詫びってことで。貼っとけ」

私の手の上に絆創膏を投げたこの人は誰なんだろ?

「おい!今の音はなんだ!」

「うわぁ、めんどくせー。適当に言い訳しといて」

「はぁ?」

「じゃーな」

なに意味わからん。

「お前かガラスを割ったのは!」

「いや、先生違うんです」

「授業も出ないで、お前しかいないだろ」

「私じゃなくて鼻の下までマスクをしてた人です」