『うちの会社には様々な部署がある。年に一度部署異動の機会はあるが…基本一度決まった部署からはあまり動くことはない。その大事な部署決めを今ここで行う!』
『…?』
『指された者から一人ずつ、自分の長所と短所を述べてみろ。それを元に俺が部署を決めてやる』
なんてムチャクチャなことを言う人なんだろうと思った。
自信満々故に偉そうな感じが伝わってきて、でも周りがそれを止めることがないあたりから信頼されているのだろう。
『己と向き合えずに他人の為の物が作れるか、ってことだ。よしじゃあ、まずそこの13番』
『はっはい、僕の長所は明るいところで…』
この部署分けで商品を作る部署になれなきゃ意味がない。
私のこの先の行方は、今この瞬間にかかっている。
そう思ったから
『よし、次…そこのデカいの。36番だな』
『は、はいっ』
その目を睨んで、立ち上がった。



