星屑ビーナス




「はい、知香。コーヒー」

「ありがとー」

「どういたしまして。一杯200円ね」

「お金とるの!?」



社内でも美人で有名な同期の友人・和泉かおりは綺麗な笑顔を浮かべながら、コーヒーのいい匂いを漂うカップを手渡した。

それを一口飲み、ようやく気持ちが少し落ち着く。



「けどこれで第一商品部とは2勝10敗…ほとんど負けてるわねぇ」

「そうなの…リーダー歴が違うとはいえ負けすぎでしょ!うちの企画どんだけ通らないの!?」

「入社して2年でヒット商品出してリーダーになっちゃったあの人と競おうとするのがまず間違いなのよ」

「だってあの人を超えなきゃ私の目標は達成されないんだもん!!」

「はいはい…相変わらず身長と野望だけは大きいのねぇ。それと声も」

「うるさーい!!」



私の野望、そうそれは『会社一番のヒットメーカーになること』。