「きぃーっ!!また負けたー!!!」



会議を終え戻ってきたオフィス、『セブンスヘヴン第二商品企画部』そう書かれた室内で、私は悔しさをぶつけるように真ん中に置かれた自分のデスクをバンッ!と叩いた。



「はいはい、お疲れリーダー」

「何でいつも真崎さんの企画ばっかり…第一商品部の企画ばっかりが通るのよー!!」

「奥谷さん、また負けたんですかー?」

「またとか言わない!まただけど!!」



悔しいやら腹立たしいやら…どちらにせよ不愉快な気持ちで席に着くと、そんな私を見て同期であるかおりは呆れたように笑う。



「まぁ、相手はあのヒットメーカー真崎だもの。言うことは最もだし、名前を出せば評判はいいし…部長も真崎さんの言われるがままよねぇ」

「そこがまたむかつくの!くそっ!」

「ほら、あんまり怒らない。眉間にシワ寄ってるわよ」

「怒りたくもなる!今回の企画だって私がここ数日まともに寝ないで考えて…」

「はいはい。コーヒー飲む?ミルクたっぷりの甘いの」

「飲む!」