星屑ビーナス




(なんで、ここに真崎さんが…)



どうして、そんな

急いで探していたかのような、汗にまみれたぐしゃぐしゃな姿をして





『格好つける余裕もないくらい』





痛いくらいの力で、腕を引くの



「ま、真崎さん…どうして、」

「っ…このバカ!お前は誰でもいいのか!?」

「え!?」



しばらく歩いて来た先で突然足を止め言われた一言に、見ればその顔は苛立ったような、複雑な顔をしている。



「…誰の前でも泣いて、触れさせるのかよ」

「……」




意味が、わからない

なんで

そんな顔、するの





「…関係ないです。真崎さんには久保さんがいるじゃないですか」

「あいつは関係ないだろ」

「…あります」

「ないだろ!」

「あります!」

「ない!!」

「ある!!」

「ない!!っ…俺が好きなのはお前だから、あいつは関係ない!!」





瞬間、大きく響いた言葉

勢いの末に堂々と言い放った真崎さんと、固まる私。そんな二人に周りの視線はこちらへと向く。