「……」
真崎、さんが…
私のことを、強く推してくれていた
ちゃんと見て、可能性をかけてくれていた
(…嬉しい)
そういうことを自分から押し付けがましく言う人ではないから
お礼を言うより結果で応えよう
頑張らなきゃ、ってより強く思う
「…、」
そう話しながらも見た先には部屋の端の席に座る彼の姿。
けれどその隣にはちゃっかりと久保さんがいて、彼女はにこにこと笑顔で真崎さんのグラスへビールを注ぐ。
「あれ、真崎と久保…お前ら相変わらず仲良いなぁ。そうして見ると夫婦みたいで」
「別れたって聞いてたけど、何だ結局復縁かー?」
「……」
真崎さんのことだから、表向きには彼女の浮気で別れたということは言っていないのだろう。過去に付き合っていた二人の復縁、と周囲は冷やかす。
予想はしていたけれど、夫婦みたい、の言葉と光景に心がズキリと痛い。



