ー
その夜、定時を一時間ほど過ぎたオフィスにはカタカタ…タン、とパソコンのキーボードを打ち終えた私一人の姿。
「…ふう、」
画面にずらりと並んだ明日の会議の資料となる文字や図面に、ようやく終わった、と息をつく。
(あとはこれをコピーすればOK)
「知香、終わったー?」
「あとコピーだけ」
「そう。なら私ここで待ってるわね」
今夜はかおりと一緒に食事に行こうと約束をしていたこともあり、急ぎで仕事を終わらせた私は最後にプリントアウトした資料をコピーしに、大きなコピー機のある資料室へと向かう。
「…、」
廊下を歩きながら目に入った『第一商品部』と書かれた部屋は、既に電気が消え全員帰った様子だ。



