「…知香は、その人のことが好き?」 「……」 『好き』、? 「…わからない。けど、その人といる時が安心して幸せってことは、事実」 「…そっ、か」 頷く圭介に私は真っ直ぐその目を見つめる。 きっともう、こうして向き合うことはない きっともう、これで最後だから 目と目を合わせて 「ありがとう…さよなら」 それだけを伝えて、席を立った。