夢かと、思った。
だってそうだろ。
今朝まで自分と彼女がいたベッドに、知らない男と彼女が寝てる。
当たり前にあった幸せや描いた将来、それらが一瞬で全て崩れたんだ。
『浮気してたのかよ、ずっと』
『違うの、悠…』
『何が?違くないだろ』
『だって悠、いつも仕事ばかりで…寂しくて、』
『毎日仕事が終わればすぐ帰って来て、土日も休みで一緒にいて、それでも?』
『…、』
『…別れる。もうお前とは、一緒にいられない』
『どうしてっ…何でそんなに躊躇いないの?ひどい…』
『……』
『悠は…冷たいよっ…』
好きだと、幸せだと繰り返して
けどその心は俺以外にも向くんだろ?
渡した指輪だって、自分のステータスのひとつでしかない
冷たいのは、どっちだよ



