「相手を信じて、一生一緒にいる覚悟を持てる。確かにわざわざ形にする必要なんてないのかもしれない。けど、形に示して『夫婦』になることでその覚悟をより感じられるんだと思う」
「覚悟…」
「ま、あくまでこれは俺の言い分な。世の中には結婚しないカップルだっているだろうし、独身に生きがいを見つける人だっているだろうからな」
はは、と笑ってみせてはその手は不意に私の前髪をいじるように額を撫でる。
「けどお前は、そういうのとはまた違うんだろうって思ったから」
「…?」
「何かに怖がって腰が引けてる、って感じかな。ま、絶対しろとは言わないけどそんな悪く思わなくてもいいんじゃねーのとも思うよ」
「……」
強引ではないけれど、でも強く背中を支えてくれるような言葉。
彼の想う、結婚観



