「…つまりお前は、案外臆病だってことか」
「…?」
そんな私に、真崎さんは躊躇いなく言って手にしたロンパースを棚に戻す。
「何難しく考えてるのか知らないけど、お前が結婚って言葉にいいイメージを持ってないってことだけはよくわかった」
「……」
「俺も、少し前までそう思ってたよ」
「え?」
「結婚なんてアホくせー、どうせどんなに誓いあっても心が離れりゃ意味ないし、それなら俺は一生独身でもいいって」
「……」
彼の抱いていた、似た気持ち
その心の変化の理由は
「…それが、どうして結婚願望に繋がったんですか?」
「……」
純粋な問いかけをぶつける私に、考えるように少し黙っては開かれた口。



