「…ま、真崎さん…?」
「?おう、奥谷に和泉。奇遇だな」
「何で二人でベビー用品…ていうか休日も一緒にいて買い物なんて、二人ってやっぱりそういう関係…」
「違う!!何でそうなる!?」
珍しい私服姿の二人にまさかの想像をする私たちに、真崎さんは全力で否定をしていつものスーツとは真逆なイメージの黒いパーカーのフードを揺らした。
その隣ではイメージ通り綺麗目な格好の浅田さんが、眼鏡越しににこりと笑う。
「うちの部署の平山さんが子供が出来て退社することになってね。そのお祝いを買いに来たんだ」
「普通そういうのって女性陣が行くんじゃ…」
「うちの部署の人たち、そういうの容赦無いから。ジャンケンで負けた俺と悠で買ってこい、って」
「……」
そういえば、第一商品部はうちの部署と比べても気の強い人が多い…。
群れたりするタイプじゃないからいい人は多いけど、その中で働く彼ら男二人はそういう面では女性たちには逆らわない方が無難だとわかっているのだろう。



