「にしても、あの子もようやく知香に招待状渡せたのねぇ」

「かおりも真崎さんも何も教えてくれないんだもん、全然知らなかったよ」

「あの子が『奥谷さんにも伝えてもらっていいですか』って招待状渡してきたから、それくらいは自分でしなさいって断ったのよ」

「おかげでこんなギリギリの時期にドレス買うはめに…」

「本当、どれだけ言いづらかったのかしらねぇ」



ふふ、と笑い飛ばすかおりに、苦笑いをこぼす。



言いづらかった、その気まずい気持ちを想像するとまたへこんでしまいそうになる。だけど、大丈夫。

言い聞かせなくともそう思えるようになったのは、きっと





『笑ってるお前が可愛くて一番好き』





(…って今思うとなかなか恥ずかしいセリフだなぁ)


彼の言葉を思い出しまた照れそうになりつつ、記憶をかき消した。