「…真崎さん」 「?」 「知香に強引は逆効果、ですよ」 「……」 そう言いながらもその顔は何かを分かっているように笑みを浮かべてみせて、またカツカツと歩き出した。 (…逆効果、か) 知りたい気持ちばかり、焦っても仕方ないこともわかっているけれど。 「…はぁ、俺ちょっと一服してくる」 「?喫煙室?」 「いや、いつもの所」 「はいはい、ごゆっくり」 どうしようもなくモヤモヤとした気持ちを抱え、俺も一歩歩き出した。