「えっ!?祥子ちゃん結婚するの!?おめでとう!」
「!!」
「お、奥谷さん…」
突然現れた私に4人の顔は一度激しく驚く。けれど私は笑顔を見せて明るく話しかけてみせた。
「もう、言いづらいのはわかるけど式くらいちゃんと招待してよ!」
「す、すみません、言うのが遅れてしまって…明日にでも改めて招待状持ってきます。…出席、大丈夫ですか?」
「うん、もちろん。いい式になるといいね、楽しみにしてる」
「…はい、」
その言葉に心のつかえが取れたのか、彼女は安心したように笑って小さく頭を下げ他の3人と一緒に急ぎ足でオフィスを出た。
「よかったねー、祥子」
「奥谷さんも案外気にしてないんだねー…」
「……」
開けられたままのドアから聞こえるはしゃぐ声は、だんだんと遠くなっていく。
残されたその場には自分一人きりとなり、途端に自分の顔からは徐々に笑みが消えていくのが分かった。



