かおりをトイレに残し、一人先にオフィスへ戻ろうと廊下を歩く。

腕にはめた時計が指すのは、午後2時近く。



(会議でお昼潰れちゃったし、ご飯食べようかな)

頬の熱はおさまったけれど、沈むような複雑な気持ちに心の奥はモヤモヤとする。



ドキドキしたり熱くなる気持ち

知ってる

この気持ちの、理由

けれどそれと向き合うことなんて出来ない



出来るわけ、ないよ





「でねー…、」

「…?」



そうしてやってきたオフィスの中では、話に盛り上がるうちの部署の女の子たちが4人ほど。

それ以外の皆は出払っているらしく、小さなオフィスに彼女たちの声だけが響く。