『36番、奥谷知香。私の長所は常に野望を抱いてることです』

『野望?』

『この会社で一番のヒットメーカーになってみせます!!歴代最高のっ…ヒット商品を作ってみせます!!』

『……』





今思えば、知らなかったとはいえヒットメーカーと呼ばれている人間相手にそれを越えると言い切るなんて…恐ろしいことをしたと思う。

けれどそんな私に、彼はははっと笑ってみせた。





『短所は態度も声も背もデカいところだな』

『なっ!?』

『気に入った。お前は商品企画部だ』





まぁそれがあったから、念願の商品部に入ることが出来たわけだけれど…

(ちなみにかおりは『短所が見つかりません』って言い切って面白いからって商品部に配属されてたな…)