ルドルフは小さく首を振ります。

なぜだか、うまく声が出ません。


おじいさんは彼の赤い鼻に気づき、なんとなく、彼の生いたちがわかったような気がしました。


「そうか……、帰るところはあるのかい?」


ルドルフはうつむき、ふたたび首を振りました。

おじいさんは


「よしっ」

と言ってうなずき、にこやかに笑いながら言いました。


「いっしょにここに住もう。きっと、きみの鼻は私の助けになる。ホーホー!」