ツンな彼女 デレな彼氏


学校の帰り道、昔の事を思い出してたらふと、思った。


「瑠衣さ、護身術習ってたんだよな?なんで?」


「は?なんで知ってんの?ストーカー?」


ストーカー⁉それはちょっとひどくないか?ショック…


「覚えてねぇの?瑠衣が教えてくれたんだよ?」


「そうだっけ?忘れた。まぁ、護身術は自分の身を守る為だってパパが言ってた。」


瑠衣は自分のお父さん、お母さんの事をパパママって呼ぶ。


あのツンとした瑠衣がパパママって呼ぶのはちょっとギャップがあって可愛い。


まぁ、そんな事本人に言えないけど(笑)


「そっかー瑠衣ってば美人だから狙われやすいもんな(笑)お父さんの気持ちわかるなー」


「うるさい黙れバカなお。美人じゃないから」


自信家じゃないところも好きだ。


しばらく黙って歩いていると、今度は瑠衣からの質問。


「そういえば、なおのクラス、文化祭何するの?もうすぐだよね?」


きたきたきたきたー!!!待ってました、この質問!


俺はニヤける頬を抑えて、


「ん、なんかホストクラブ?みたいなのやるらしいよ」


チラリと瑠衣の顔色を伺うと、


…なんにも変わってねぇ!


「へーホストクラブかぁ…たのしそうだね。でもなおに指名こないんじゃないの?」


「そ、そんな事言うなよー…あ、瑠衣のクラスは何すんだ?」


「メイド喫茶」


へーメイド喫茶かぁ…俺らとそんなに変わんねぇなー


………はっ⁉メイド喫茶だって⁉


「瑠衣、それに出るの…?」


「バカじゃないの。私が出るわけないじゃん。」


ひとまず安心。


「そっか…良かったー」


いやいやいや、よくねぇよ!


一生に一度見れるかどうかの大事な瑠衣のメイド姿、見たくないわけがない!



見たい。見させてください。メイド喫茶やってください、瑠衣さん。


「なお?何してんの?不審者まがいな事しないでくれる」


いつの間にか俺は、手を合わせ、神に祈るようなポーズをしながら歩いていた。


「あ、あぁ。わりわり」


「なお、もうついたよ、私ん家」


「えっ?あ、本当だ。んじゃ、また明日な」


「うん。それとさ、」


「ん?どした?」


まさか、やっぱりメイドやりますとか⁉


「私、文化祭でクラスの実行委員になったから、しばらく一緒に帰れない。それだけ。じゃあね」


あ、なんだ実行委員か…実行委員……実行委員⁉


嘘だろ…


「マジかよ…」


ただでさえ学校で会えないってのに、帰りも一緒じゃないとか…キツ過ぎる


ちょっとだけ、実行委員になった瑠衣を恨んだ。