「うん」
そう頷いて、吊革を握る手に少しだけ力を込める。
次第に電車はスピードを落としていき、
ガタンと揺れると停車した。
そして、プシューと空気が抜けるような音を出し、扉が開いた。
同時に、動き出す人混み。
私たちもその人混みの流れに合わせて、電車を降りた。
「……っ、さむ」
その瞬間、まだ冷たさの残る風が私の肌を撫でる。
電車の中は、
少し暑いくらいだったのに。
「アキ、早く行こ」
「あ、うんっ」
私よりも5歩程前にいる夏穂の隣に並んで、高校へと足を進める。
その途中、ふと空を見上げた。
そこには、
眩しい光を放った太陽がぽっかりと浮かんでいて、
雲ひとつない、
どこまでも澄みきった青空。
そして、
そんな青空を舞い散る、
ピンク色の桜の花びら。
その花びらはヒラヒラと、
まるで導かれたように。
差し出された私の手に舞い降りた。
「__…」
目を閉じて、
すぅ……と深呼吸をする。
