「ハァ。取りあえず顔洗いに行くか。」


―ガチャ―


乃亜の部屋のドアを開けたら乃亜も丁度隣にあるあたしの部屋から出たところだったみたい。


「おはよ、理乃。」

あれ?いつもの乃亜に戻ってる?

「…おはよう。」

「理乃すごい顔してるね。ひょっとして眠れなかった?―――。」

カァァァッ。あたしの顔に一気に熱が集る。

だって乃亜ってばあたしに『俺のキス忘れらんなかったんだ?』なんて耳打ちしてくるんだもん。