高校一年4月

「つばさぁ〜おはよ!」

隣の席のナオキだ。

「おはーめっちゃ眠いわぁ」


高校も始まって1週間。
友達もある程度ふえてきて楽しくなってきた。

ナオキとは席が隣ということもあってよく話す。


「今日一限体育だよ!つばさもちでるっしょ?」


「あ〜わりぃ。今日は見学するわ。体育着忘れちゃったし」

体育着持ってなかったのはホント。だけどわざと持ってきていなかった。

元々運動は好きだけど学校の体育は好きじゃない。


「マヂ〜?ぢゃあとりあえず体育館いこっ」

ナオキは即効で体育着に着替えて
先に教室を出た俺を追いかけて来た。


体育館にくるのは入学式ぶりだ。


辺りをみまわすと制服のままなのは自分だけなことに気が付いた。

見学する奴と喋ってりゃいーや。とおもっていたから見学したことをこの時は少しだけ後悔した。


「ナオキ〜!だるそーだし俺教室いるから適当に先生ごまかしといて」


一人で見学するのも暇だったからナオキにそう告げて
体育館を後にした。