梅雨時の雨の道は人が少ない

澪と約束したクレープを食べに行くために歩く

水色の傘を差した私とピンクの傘を差した澪

「ここっ。澪がお勧めするクレープ屋さんっ」

じゃーんとポーズしながら教えてくれる

「美味しそうなのがいっぱいだね!」

楽しい会話をしながらは店内へと進む

『いらっしゃいませー』

アルバイトらしき女子高校生が声にする

「ご注文はお決まりですか?」

私たちに訪ねてくる

もちろんきまっている

「澪ねー、いちご」

「じゃあ私はチョコバナナで」

「かしこまりました。いちご1つとチョコバナナ1つですね。少々お待ち下さい。」

ほんの数分で出来上がった

「2つで840円になります。」

とりあえず私が出す

「あとで返すねー」

「ありがとうございましたー」

お店を出ると外は晴れていて虹がかかっていた

開きかけの傘をしまい、クレープを口にする

「「お、美味しいっ」」

いつもの通学路からちょっとはずれた道を歩く

近くには大きなお寺があっていつも決まった時間に鐘が鳴る

女子高生が話す話とすればやっぱり

【恋バナ】

である

とはいっても私がいつも一方的に澪の話を聞くだけ

でも今日は違かった

「ねぇ、いっつも思うんだけど藍って彼氏作んないの?」

「んー今は良いかな。振られたばっかだし」

「中学の時から片思いだったもんねー」

「でもなー彼氏とか羨ましいなー澪」

「えへへ////」

笑いながら照れる澪

「でもさカッコいい人いっぱいると思うよ澪は」

「誰ー?」

「名瀬朋尭君とかかっこいいじゃん、あー緑埜海くんとか」

「確かに名瀬君サッカーしててカッコいいよね。緑埜君は野球だっけ?」

「そうそう、野球部のエースで4番」

「二人から選べって言うんなら私は名瀬君かな。」

「藍の好きだった海希くん野球部だったもんね」