お兄ちゃんに背中を押されて私は先生に気持ちを伝えることに決めた。

だけどその前に斗真と話さなければならない。

いつも通り部活帰りに二人で一緒に帰っていた。

そして、私の家に着いた。

「斗真…」

「ん?」

「話したいことあるの。」

「わかるよ、芽唯が何言いたいか。」

「え?」

斗真が優しく微笑む。

「芽唯、覚えてる?俺が、
芽唯が幸せそうに見えたら離れていく。
って言ったこと。」

たしか合宿のときに言われた。

「うん。」

「今現在幸せそうに見えてるわけじゃない。だけど、芽唯の幸せが何かわかった。芽唯がそこに行けば、幸せそうに見えるんだなって思った。
だから俺は離れてくよ。」

斗真……

斗真はどこが辛そうな顔をしている。

やっぱり、本当に想ってくれてたんだ。

「こんな私のこと好きになってくれてありがとう。」

「芽唯のこと好きにならない方が無理だから!ごめんな、今まで。芽唯のこと縛るようなことして。」

「ううん。前に進みたいって思ってたのは本当のことだから。」