こんな変な男と仲良くするつもりはない。

「あのですね。とりあえず出ていってもらえませんか?」

僕はこれから職探しにいかなければならないんだから。

「あぁ、悪かった。じゃぁ今日は帰る。」

今日は?また来るつもりか。なんていう図々しいんだ。

もういい。一応あとで鍵を変えてもらおう。

早めに気を取り直して職探しに出掛けよう。

朝からやけに疲れた。あの薄汚い男の顔が頭からはなれない。

ついてない。僕にはこの街はあっていないのだろうか。

なんだか不安になってきた。
いや、こんなことでへこたれる訳にはいかない。
そう、彼女のためでもあるんだから…