翌朝、昨日の警察がきた。
「おはようございます。お怪我は順調に回復なさっていますか?」

「おはようございます。まぁ…そこそこでしょうか。」
心配もしていないくせに、そんな挨拶はいらない。

「早速ですが、昨日あの後いろいろと調べてみたんですが、銀行強盗があったみたいです。とられたのは1000万円という大金です。怖い世の中ですね。しかもですよ、港のグループが持っていたのは約9000万円入った通帳と現金1000万円。なんだかあやしいと思いませんか」
回りくどい。通帳を見たなら僕のものだとわかっているだろう。
「そうですね。それが?」
「はい、率直に聞きますがあの通帳はあなたの物で、1000万円はあなたが銀行強盗をしたものじゃないですか?」
散々回りくどく話しといて今更、率直も何もないだろう。
「さらに言えば、あなたの足の怪我、どうやら拳銃で撃たれたもののようだとか。それはつまり…私の推理でしかないんですが、グループを抜けようとしたあなたは手切れ金として1億円用意しろと言われ、それが出来ず持っていた9000万円と足りない1000万円の代価として彼女を……」
「違う!!」
そんなんじゃない。彼女を代価?ふざけるな!!