次第に意識がはっきりとしてきた。

なんで…
なんで僕の家に彼女が!?

「なんでいるの…?」

「なんでって…呼びかけても返事が無かったから…勝手にあがらせてもらったんだよ。」

おいおい。軽く犯罪だろ。

でも、何故かうれしかった。救われた気がしたんだろうか。


「そか。ありがとう。」
彼女は、涙を拭きながら小さな声で「ううん」と言った。

僕のために泣いてくれる人がいた。それだけで、僕は幸せだ。

「何も食べてなかったんでしょ?なんか作るからちゃんと食べてね。」

手料理か。久々な響きだ。

「ありがとう。」