~君のいない街で~

ある朝
目をさますと
僕は狼になっていた
愛しいあの子は
もういない
傷つけた分だけ
傷つこう
無くした分だけ
拾っていこう
それがあの子に対する
僕なりの礼だから
さようならの
言葉よりも
ありがとうと
ただ伝えたい

だけど
あの子はもういない
狼になって一人きり
一匹狼なんか
望んじゃいないのに…

だけど狼になって
気付いたんだ
見守ってくれる
やつがいる
何処からきたのか
わからない
でも
僕を見てくれる犬
寂しい顔するなよ
仲間だよ
友達だよ
寂しいんだ
君もそうだろ?
ここにおいでよ
僕はここにいるよ

あの子を失って
足りない何かを
埋めるために
僕は君を救うよ

君を笑顔にすることが
出来たら
幸せになれそうなんだ
僕は君と生きていくよ
愛しいあの子の
幸せを願いながら
君のいない街にも
明かりが差したんだ
ほんの小さな
ものだけど…

愛しい貴女
どうか幸せに
愛しい貴女
どうか僕を
忘れないで…