翌日、新幹線の駅の下で、僕は歌っていた。

周りの冷たい視線が痛い。

そりゃ音痴だし、アカペラだし、有名な曲をただひたすらに歌ってるだけだし。

人を引き付けるものなんてない。

人前に出ることすら出来なかった僕が、ここまで出来るようになったのは出会った人たちのおかげ。特に彼女には感謝なんて言葉が失礼なんじゃないかと思うほど感謝している。

笑われたっていい。僕は伝えたいんだ。君のいない街で。彼女がいないこの街で。彼女への気持ちを。