僕は今までのことの全てを話した。

その事実に耐えられなかったのか、女性は顔を覆い隠すながら泣き始めた。

「そんな…そんな。私はなんてことを…。」

「泣かないでください。飯間は貴女を責めたことなんてただの一度もなかったんですから。」

「でも…。」

「飯間は傷を癒したらまた帰ってくると言っていました。だからその時まで探すようなことはしないであげてください。」

「…はい。もちろんです。」

「それと…僕の興味でしかないんですが、貴女が飯間のもとを離れていってしまった理由を教えては貰えませんか?失礼なのは承知ですが、迷惑でなければ是非。」

「ええ、大丈夫です。あれは飯間が仕事に出掛けている時のことでした。」

女性はその時のことを事細かに教えてくれた。

なるほど。そういうことだったのか。

やはり田中は嘘をついていたのか。それとも本当に自分がそんなことをしたと思っているのだろうか。