「うるさい!何も知らないくせに…。飯間を病にしたのは俺なんだよ!」

「…どういうことですか?」

「飯間の彼女がいなくなったのは俺のせいだ。俺が…」

「え?」

「その当時まだ、妻と子供がいた俺は、飯間の彼女に手を出した。酔っていて記憶は曖昧だが…飯間が仕事に出掛けているときに入り込んで…
軽蔑するだろ?」

「田中さん…」

バシッ!!

僕は田中の頬を全力で殴った。

「もっと殴ってくれ。俺は死んだって構わない。死んだ方がいい人間なんだ。」

「もういいです…。僕がどうこう言うことじゃないですから…。」

「俺はなんてことをしてしまったんだってすぐに後悔した。でももうその頃には遅かったんだ。」

もう何も言葉はでない。