なんだかまた一人ぼっちのようだ。

アパートに帰り、ベッドに潜り込んだ。

まだ夜8時前だと言うのに、眠気が僕を導いた。

「こんな時間に寝られてうらやましいよ。」

田中だった。
いつものように勝手に入り込んだようだ。

「田中さん。久しぶりに会えましたね。」

「ああ、そうだな。借金返済にめどがつきそうなんだ。」

「本当ですか。よかったです。」

「ありがとう。だけど、今日はそんな報告をしにきたわけじゃないんだ。おまえを一発殴りにきた。」

「ぇ…?」

バン!!!

痛っ……

「何をするんですか!」

「何をするんだじゃない。飯間が引っ越したのは知っているよな。何故それを伝えてくれなかったんだ。」

「それは飯間が…。」

「俺は飯間に謝りたかった…。あいつを傷つけたのは間違いなく俺だ。なのに…。」

「待ってください。飯間はそんな風に思っていません。飯間はただ自分を変えたかった。それだけです。遅かれ早かれきっと…。」