「まて!俺はここにいる。そいつをはなせ。」

そこには田中がいた。

「おやおや、やっと会えましたね。しかし張本人のあなたがヒーロー気取りとは笑えますね。面白いものが見れましたよ。頑張った甲斐があります。こちらとしても、あなたがいればこいつらに用はありません。返しましょう。」

投げ付けるように突き放された僕は食器棚で頭をぶつけた。その時、近くから唸り声がきこえ、辺りを探った。食器棚の1番下の大きな場所に縛り付けられている飯間をみつけた。

ばれないようにこっそりと縄を解いていた。

そのころ田中は男とやりとりをしていた。

「金は返そう。しかし不当な利息分は返さない。弁護士を雇ったからおまえたちに勝ち目はないぞ。」

「何を?どこにそんな金があるんです。そんな見え透いた嘘はやめたほうがいいんではないですか?」

「嘘ではない。金はなくとも人脈はある。なぜ今までそうしなかったのか疑問なほど簡単な答えだったよ。」