「まぁいい。二人には後々事務所まで来てもらおうか。飯間さんよ。とりあえず田中の居場所を教えてくれるか。」

初めての体験に飯間は硬直してしまっている。

「た……たた…田中さんは……え…と…。」
スーツの男はいらついていた。

「飯間ぁ!!」
ビクっとなり、完璧に脅えているのが見て取れる。

「名古屋の川沿いの…橋の下に…」

ボソボソと呟いた飯間の顔は青ざめていた。

「名古屋か。あんなとこまで逃げやがって。」

舌打ちをしてそう言うと、僕を睨みつけながらアパートをあとにした。