今私は今入学式の真っ最中だ。
極度の人見知りの私は友達が出来るかどうかなど色々な事を考えていた。
つまらない校長の話しや入学祝の言葉など、長い入学式が終わった。

私のクラスは六組だ。
教室に行くと、知らない人が沢山いた。
仲の良い人は一人も居なかった。
友達出来るかな・・・
私は不安だった。
前に行った通り極度の人見知りだし、何てったって私はオタクだからだ。
小学校の頃は、オタクという理由でいじめられたりしていた。
だから仲の良い人は限られている。
こんな私だから十二年生きているが、好きな人も出来たことは無いし、好きになられたことも無いという残念な人生を送っている。

チャイムが鳴ったので私の名前を書いた紙が貼られている席に着いた。
隣の人は髪が長くて、私より背が高くて、細い見るからに暗そうな人だった。
先生の説明が終わり、帰りのチャイムが鳴ったので私はすぐに教室を飛び出し大好きな親友のいる七組に向かった。
「美咲!」
美咲とは親友の名前だ。
「あっ!紗理奈だ~」
紗理奈とは私の名前だ。
村澤紗理奈というのが私の名前である。
美咲とは家が近いので、いつも一緒に帰っている。
帰りは美咲とクラスの話しをしたり、最近やっているアニメの話しなどをしている。
言い忘れていたが美咲も私と同類のオタクなのだ。
だから凄く気が合うし、出会ってもう六年ぐらい経つけど喧嘩なんてしたことがない。
美咲は私にとって大切な存在だ。

中学に入学してから一週間何事もなく学校生活をおくっていた。
ある日学校に行くと、クラスの女子が私の事を見て
「村澤さんってオタクなんでしょ~」
「マジでキモいわー」
などと言っていた。
私がオタクだというのを女子達に教えたのはきっと小学生のときにいじめてきた奴らだろう。
正直キツかった。
小学校の頃を思い出してしまった。
私はうつ向いて自分の席へと向かった。
少し涙ぐんだ目をこすり椅子に座った。
すると隣の暗そうな男子が微笑みながら
「何も気にする事は無い。別にオタクだって何だって良いじゃないか。俺もオタクだしね。」
とこそっと言って私にアニメのキャラがプリントされたタオルを渡してくれた。
嬉しかった。凄く嬉しかった。
嬉しさの余りまた目が滲んだ。
「ありがとう」
これが私と彼との初めての会話だった。