「やっぱりいいよ、もう帰ろう」とA君の背中を叩くと、「ちょっと待って、今なにか音がしなかった?」と深刻な顔でこちらを見た。「音って、何も聞こえなかったけど。やめてよ」笑い飛ばしたいが上手く笑えない。「雨戸も閉まってるんだし、人がいるわけないよ」