篠突く雨が降る


私はベッドから抜け出し病室を出て走った。

怖くて怖くて走った。

「志乃ちゃぁぁぁぁぁぁん!!!お薬ですよォォォォォォ!!うふふふふふふふふふふ次は追い掛けっこぉ?うふふふふふふ」

手術道具などが乗っているカートを押し左手には包丁を持ったナースが笑いながら追いかけてくる


死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない。

必死にそう思った。

とにかく逃げなくちゃ。とにかく逃げなくちゃ。とにかく逃げなくちゃ!!!

そして行き着いたのはひとつの個室だった。

『診断室09』

とか書かれた。