世界一幸せな国Ⅰ



開始時刻になると同時に、会場で控えていた執事たちがドアを開けた。


ワッと会場が湧き、視線は全てこちらに向いている。


バ「……行くわよ」


お父様に手を引かれた私と、お母様に手を引かれたユアン。


その後ろから兄弟が出てきた。



私とユアンは緊張してぎこちない表情。


優しく微笑んでいるお母様。


当主としての威厳を保つ力強いお父様。



レオお兄様、ランダお兄様、メアリーお姉様の3人も慣れているようで、優雅に歩く。


きゃっきゃと湧いている若い令嬢たちに手を振ってしまう始末だ。






バ「本日は、次女と三男の正式お披露目パーティーにお集まりいただきありがとうございます。皆様に見守られ愛された娘たちは、本日で5歳を迎えます。感謝してもしきれない限りでございます。皆様、本日は心ゆくまでお楽しみください。では、当主より挨拶をさせていただきます」



お母様がそう言うや否や、お父様はスッと席を立ちマイクの元へ行った。



ア「先ほどの通りでございます。皆様のおかげで、2人はここまで成長できました。……ローナ、ユアン、出てきなさい」



緊張でガチガチになりながらマイクの元へ行くと、お父様がマイクを外してもたせてくれた。


「お初にお目にかかります。次女のローナ・ボールドウィンでございます」


「同じく三男のユアン・ボールドウィンでございます」




緊張しながらも練習した作法で礼をすると、会場から拍手が起こった。



(よかった。終わった……)