今度は私から手を出した。


彼はさっきのお返しとばかりに手を握りこそしなかったが、「よろしくお願いします」と小さな声で言った。




「さあ!黒狐の皆さん、倉庫においで!説明と歓迎会をするよ!


4班5班の情報と全班の戦闘は桜龍と先に帰って連絡と歓迎会の準備。


救護はここでできる手当てをする。

黒狐の車隊は5班の車隊と一緒に黒狐と凛桜の車に別れて乗り手当て。

バイク隊はここで手当てをしてから私を先頭に帰る。


7時に倉庫集合だ」







結局は時間の都合で歓迎会は後日となった。




時間に1番厳しいのは当然うちだから。




ここに顔を出す余裕がなくなるのも私たち。



「私たちがいなくても対応できるよう少しでも早く鍛えきらないと」と焦っていたので、黒狐が入ってくれたときは正直安心した。



少しでも早く馴染めるよう、手助けしよう。




後から入った人も含め、みんなの居場所になれるように。



少しでもよくしようと考えている。



それは1ヶ月前から今までずっと変わらない。





(自分たちがいなくても……)と考えるのは悲しいことだが、ここではみんなが考えることだから。



少しでも長く、1人でも多く、救いたい。