世界一幸せな国Ⅰ




男「……お、きたきたぁ!スイッチ入ったな?でも、お前もターゲットだからさぁ……死んでもらわないと困るんだよ」


「てめぇっ!藍乃を返せっ!お父さんを……お母さんを返せぇっ!!」



俺は叫んだ。

叫んでも何も変わらない。


けれども叫んだ。


そうでもしないと壊れてしまいそうだった。




男「そんなに叫んで人が来ちゃったらどーすんだよぉっ!どんだけ叫んだってむーだっ、お前もそれは分かってるだろぉ??」





男が馬鹿にするようにふざけながら追い討ちを掛けてきた。


その時、俺の堪忍袋の尾は切れた。


もう、我慢の限界だ。





──スッ


「裕二さん、お願いします」