世界一幸せな国Ⅰ



その時、忘れていたんだ。












こいつはプロだ、こんな簡単に殺られるはずがない。












そして、こいつは拳銃を持っている。
















パシュッ……



パシュッ……














気づくのが遅すぎた。










私が抱き上げようとした時、男は僅かに動いた。




そのことについては、別に何も思わなかった。




その直後ニヤリと笑った男は、黒い物体を私に向け……両肺を撃った。










サイレンサーが付いていたらしく、その音に気づくものは一人しかいなかった。