こういうときの予感は、虚しくもよく当たる。
男A「これですよ」
「「!?」」
「お兄様!お姉様!!」
私たちの前に出されたもの。
それは、私たちの兄弟だった。
眠らせられているのだろうか、ぐったりしていてピクリとも動かない。
顔色はさほど悪くないので大事には至っていないだろうが、どういうことだろう。
「兄と姉になにをしたんですか」
自分が素に、かつての自分に戻ってきていることを我ながら感じた。
隣でずっと黙っているユアンもさっきと苛立ちが隠せなくなってきた。
男A「……さあ?」
「質問に答えろ。何をしたんだって聞いてるんだ」
男A「ふうん。そっちが素か。……今は眠らせてるだけですよ」
「無理に敬語を使わなくてもいい。かえって気持ち悪いだけだ」