私たちが挨拶を終えしばらくすると、会場の緊張はほとんどなく、招待客らもそれぞれ談笑していた。
招待客は全員自分より年上で、暇を持て余してしまった私たちは、お父様とお母様に告げ、温室へと向かった。
温室は、いつも私たちと同様暇になるお兄様たちが訪れるそうだ。
国でも珍しい植物やボールドウィン家で交配された花が綺麗に咲き、広い通路の先にはテラスもある。
ここで飲む紅茶は格別なので、この家で働いている使用人たちにも人気なのだ。
……が、今日は違うはずだ。
会場から離れているここへ来るのは、私たち兄弟だけのはずだ。
上記の通り、会場から離れているので招待客は普通来ない。
使用人たちはそれぞれやらなければならないことがあり、このようなところへは来ない。
しかし、私たちは妙な気配と視線を感じていた。
「どなたかいらっしゃるの?お兄様たち?」
お兄様たちではなさそうだが、聞いてみる。
そして、残念なことに、やはり返ってきた返事は知らない声であった。


