しばらくして、今日のためにひたすら練習した笑顔でニコッと笑った私は言った。
「改めて、よろしくお願いいたします。オーレリー・アポリネール伯爵」
ユアンも例の笑顔で次ぐ。
ユ「よろしくお願いいたします」
その二人の姿を見た伯爵は、初めの硬い笑顔とは違う、温かい笑顔で言った。
オ「ええ、よろしくお願いいたします。ローナ様、ユアン様」
先程二人が頭を下げた時の異様な空気はどこへやら、優しい笑顔の挨拶を見た貴族はこぞって挨拶に来た。
お兄様たちが一緒に対応してくれたおかげで、混乱とまではいかなかったが、その対応もあくまでその場しのぎ。
のちに自ら行かなければならないのも面倒なものであった。
1時間半ほど時が過ぎた頃には、私たちは挨拶を終え、元の席に座っていた。
「……つ、疲れたー」
ユ「何あれまじめんど」
私たちはぐったりとしていた。
ユアンが話す口調は、もう貴族ではなかった。


