世界一幸せな国Ⅰ



「私は、まだ何もできない未熟者です。努力も経験も、伯爵の方がお上ではありませんか。私に敬語はお使いにならないでくださいな」


ユ「何もできない僕なんかより、学校を経営なさってる伯爵の方がよっぽどご立派です」



まだなお「……でも……」という伯爵に、私は畳み掛けるように言った。



「敬語とは一般に尊敬語、謙譲語のことを言うのですよね?私どもはおこがましくも、伯爵を尊敬させていただいているので、敬語お使いするのです。しかし伯爵は、5歳の私どもに尊敬することなどなにもおありでないでしょう?」


オ「いや、そんなことは……」


「今述べろとは申しません。せめて、具体的な何かが出来るまでは、身分などではなく対等に接して頂きたいのです」



オ「いや、だから、そんなことおっしゃいましても……」



「よろしくお願いいたします」
ユ「お願いいたします」


二人で頭を下げる。


さて。

伯爵はどうするか?



本当は、そんなことなんて分かりきっていた。