世界一幸せな国Ⅰ




「……ところでアポリネール伯爵、なぜ私たちに敬語なのです?」


これは、しばらく話していて私が素直に感じたことであった。


オ「ちょっ……当然じゃありませんか!公爵のお嬢様やご子息様に敬語を使わないなどその方は猿以下ですよ!!」


尊敬語は目上の相手、尊敬している人に使うもの。

日本では、年齢や職歴、経験値で上下の縦社会ができる。

そんな日本に住んでいた私やユアンには貴族社会がよく分からないままだった。


この世界において貴族社会であることは当然であったため、本などにも詳しく載せられない。


もし、一世代貴族である男爵に敬語を使うのならわかる。

男爵は、国王に認められた人が授けられる爵位なのだから。


しかし、私たちはどうだ。

確かに何もしていないわけではないが、爵位は生まれもつもので、代々受け継がれてゆく。


きっと。
いや、間違いなく私たちより努力している、私たちより尊敬されるべき人はいる。

それなのに、その人たちには使わない敬語を私たちに使う理由が本当にわからない。